パスタを茹でている間に

村上春樹作品を考察しているブログです。著者の著作一覧はホーム(サイトマップ)をご確認ください。過去の考察記事一覧もホーム(サイトマップ)をご確認ください♪

一冊の本が3万円!?私の『ヘルマン・ヘッセ』 コレクション

今週のお題「わたしのコレクション」

ヘルマン・ヘッセ コレクション

初めてブログに写真を付けてみました。きれいに見えているでしょうか?ドキドキ。「お題」にも初めて挑戦します。ドキドキ。

私のヘッセ・コレクションの一部です。写真にあるものは、ほとんどが絶版で入手困難なものです。ひとつだけ右端に教科書の挿し絵のようなものが写っていますが、「ようなもの」ではなく、本当に教科書です。「少年の日の思い出」という短編なのですが、高橋健二訳の作品は市販されておらず、この挿し絵も含めてヘッセファンには大変貴重なものになっています。

 

 

一冊3万円の本

左上に『ガラス玉演戯』というタイトルの本が二冊並んでいますが、左のキラキラした装丁が8千円位で、右側の「ヘッセ全集<9>ガラス玉演戯」が3万円の本です。(私が買ったときは5千円位でしたが、昨日調べてみて自分でもビックリしました)

ヘッセの本は文庫本が充実していて、ほとんどの作品を日本語で読むことが出来ます。しかし、文庫化されていない作品を読もうとすると全集に手を出さなければなりません。(でも、電子書籍でも読めます)

 

ヘルマンヘッセの本が高価になる理由

文庫本と教科書の訳者は高橋健二さんで、ファンはこの方の訳でヘッセの魅力に取り憑かれ、育てられます。そして、訳者はヘッセと直接親交があったことも知られており、日本のファンはヘッセと同等に高橋健二訳を愛しています。

挿し絵の『少年の日の思い出』も実は、蝶の標本採集に関する短編なので「コレクション」になるのですが、「お題」の意に添わない内容なのかも?なので、ここでは内容は伏せておきます。(覚えてる方はいらっしゃいますか?ある意味、「忘れたいこと」のお題に添うかもしれません)

 

ヘッセと訳者の親交

『少年の日の思い出』は、オリジナルの『クジャクヤママユ』を改稿したもので、ヘッセにも思い入れのある作品だとされています。そして、改稿後にドイツの新聞に掲載された『少年の日の思い出』の切り抜きを、ヘッセを訪ねていた高橋健二さんに手渡したため、この作品を日本語で読めるようになったとのことです。

(一方、ドイツではヘッセ自身を含め、改稿後の『少年の日の思い出』のテクストを失い、ドイツの全集・単行本に収められているのは、初稿『クジャクヤママユ』のみです。なので、この『少年の日の思い出』は、ドイツよりも日本人の方が良く知っている作品です。)

 

ヘッセと言えば『車輪の下

なのですが、『車輪の下』『少年の日の思い出』の両作品は、ヘッセのダークサイドが目立つ作品なので、私はそこまで好きではありません。日本における認知度はとても高い作品ですが、ヘッセの魅力は他にもあります!私がヘッセの作品のなかで、特にオススメしたいのは短編集『メルヒェン』です!

 

 

メルヒェン

こちらの短編集は、ヘッセファンの間でも特に人気の高い、「アウグスツス」と「アヤメ」が二つとも収められた、大変お買い得な商品となっております!!!!!!!! (すいません。すこし熱くなってしまいました)

アマゾンのレビューを見てもらっても面白いのですが、「アウグスツス」派と「アヤメ」派に二分されています。(別に対立はしていませんが)

作品に対する愛が溢れ、「鼻息が荒くなっているヘッセファン」のレビューはどれも面白いです。

 

本当の宝物

すこし前の「お題」に「忘れたいこと」なんてのも、ありました。ヘッセは読者の中にある「忘れたいこと」だったり「すっかり忘れていたこと」だったりを刺激して、身震いと共に甦らせることが得意な作家だとも思います。

実際に手にとって、目で見ることの出来るコレクションは、私たちの心をトキメかせてくれます。しかし、モノはきっかけとしてあり、その「トキメキ」の源泉はモノではなく心です。

 

幼年時代の春、アンゼルムは緑の庭を走っていた。母の作ってる花の中の一つはアヤメという名で、彼は特に好きだった。”ー『メルヒェン』ーP.156 「アヤメ」より

 

 

とてもオススメです! ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ ハァハァ