今回は村上春樹著『猫を棄てる 父親について語るとき』を考察します。こちらの作品は副題にある通り、著者が自分の父親について語るエッセイとなっています。
著者の父親・千秋氏は京都の安養寺(浄土宗)の次男として生まれ、勉強が好きで京大の大学院まで進学します。しかし学生時代に戦争になり、召集の度に勉学を中断しなければなりませんでした。大学院に進んでからも、結婚と子供(春樹氏)を授かったのを機に学問を諦め、高校の国語教師となりました。
私のブログはネタバレ全開で考察するので、せめて文庫本になるのを待って記事にしようと思っていました。そして、私の知らない間に文庫化されていました。
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