パスタを茹でている間に

村上春樹作品を考察しているブログです。著者の著作一覧はホーム(サイトマップ)をご確認ください。過去の考察記事一覧もホーム(サイトマップ)をご確認ください♪

考察・村上春樹著『飛行機ーーあるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか』

 短編集「TVピープル」より、『飛行機ーーあるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか』を考察します。

 私は短編集の表題作となっている「TVピープル」については、「我々はテレビを通して、構造主義的に社会に取り込まれ、自分が思っているほど自由に考え行動できない」と考察しました。

 今回、短編「飛行機(Aeroplane)」では、飛行機を

(Aero)plane=平面、水準、平坦 と読んでいます。

 本短編は三人称で、登場人物の彼(20歳)と彼女(27歳、既婚者で子供もいる)の不倫関係にある二人が、彼が時々口にする「独り言」について語るお話です。

 

Aeroplane: Or, How He Talked to Himself as If Reciting Poetry

 

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考察・村上春樹著『タクシーに乗った男』カロ・タクシージ(良い旅を)

 短編集「回転木馬のデッド・ヒート」より、『タクシーに乗った男』を考察します。記事にするために再読していたのですが、この短編はかなり面白い作品であることを再発見しました。
 著者は、まだ作家になったばかりのころ、ペンネームを使って美術誌のために画廊探訪の仕事をしていたそうです。そのときに、40歳前後の女性オウナーから「心に残っている一枚の絵」の話を聞くという内容です。

 

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考察・村上春樹著『レーダーホーゼン』離婚原因は半ズボン

 短編集「回転木馬のデッド・ヒート」より「レーダーホーゼン」を考察します。レーダーホーゼンとは、ドイツ伝統の吊りベルト式の半ズボンです。

 ざっくりとしたお話の流れは、著者が著者の奥さんの友人(30歳過ぎの独身女性)の、「半ズボンが原因で、母が父を捨てた」という体験談を聞いているというものです。その時に(当時大学二年生)、語り手の女性もついでのように母親から捨てられてしまうお話です。

 

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