パスタを茹でている間に

村上春樹作品を考察しているブログです。著者の著作一覧はホーム(サイトマップ)をご確認ください。過去の考察記事一覧もホーム(サイトマップ)をご確認ください♪

考察・村上春樹著『蜂蜜パイ』 地震男がふたを開く

 今回は短編集「神の子どもたちはみな踊る」より『蜂蜜パイ』を考察します。こちらの作品は『かえるくん、東京を救う』と並んで、とても人気のある短編で、ストレートで分かりやすい物語になっています。

 主人公は短編『日々移動する腎臓のかたちをした石』で登場した、短編小説家の純平です。『日々移動する~』では、キリエというミステリアスな女性に促されて執筆を進めました。本作では、学生時代から親交の続く親友の娘・沙羅を喜ばそうと、『蜂蜜パイ』という童話を創作するお話です。

 

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考察・村上春樹著『女のいない男たち』水夫は風を捉えて進む

短編集『女のいない男たち』の表題作を考察します。まえがきでは「女のいない男たち」というモチーフで短編をいくつか書いたあとで、単行本のための表題作を書こうと思い立ったと語っています。また本作については、「そうだ、こういうものを書こう」という着想を得てからは、一気に書き上げたとのことです。

 

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『星の王子さま』 その本は魔法の言葉で書かれている

大人になってこの本を知ると、「何でもっと前にこの本を読まなかったのだろう!」と後悔し、幼すぎると「変な本…」で終わってしまう。初めて手に取ったときに感動したエピソードは、再読するとその輝きを失い、今度は別のエピソードが心を締め付ける。

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